2023年秋ごろに、ソフトバンク、孫社長が、AI関連の特許出願を1万件行うと発表したことが種々の媒体で報道された(参考1)。この宣言と符合する統計が特許庁より2023年11月に公表されていた。
下のグラフ(参考2)は特許庁が受理した特許出願の月ごとの件数の折れ線グラフである。これによると、2023年9月の特許出願が例年より30%も急増している(ほぼ1万件増)。実は、この急増の原因は謎である。ただし、この急増の時期が、先ほどの孫社長の宣言の時期(10月)と符合する。特許出願は出願から18か月後にはじめて特許庁からインターネットで書類が公開となる(世界共通ルール。「公開公報」と呼ばれる)。それまでは、秘密状態に置かれていて、2023年9月の出願の会社(出願人)および発明の内容などまったくわからないのである。出願された特許出願の明細書類が公開されるのは2025年3月になる。(2023年9月+1年6月=2025年3月)。この時期に2023年9月の出願の内容についてこのブログで解説する予定である。次回は、18か月がもたらす不具合、「サブマリン特許」について解説する。
(参考1)
(参考2)特許出願速報 特許庁サイトより、筆者加筆作成。
(参考3) 2020年4月から2023年9月までのもの。例年3月が出願件数がピークになるのは、企業の会計年度の締めに当るため。
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